『ウマ娘プリティーダービー』に登場するキャラクターのモチーフとなった競走馬を紹介するコーナー。
第1回目に紹介する競走馬は『スペシャルウィーク』です。
アニメ1期の主人公にもなったスペシャルウィークとはどんな競走馬だったのか。
アニメキャラクターだけではなく史実の競走馬にも興味を持っていただけるように一生懸命解説させていただきます!

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【元ネタ】スペシャルウィークってどんな競走馬だったの!?【史実】
スペシャルウィーク(牡) 1995年5月2日生まれ、2018年4月27日死亡
父 サンデーサイレンス 母キャンペンガール( 母の父 マルゼンスキー) 白井寿昭厩舎所属
主戦騎手:武豊
競走成績17戦10勝(GⅠ4勝) 主な勝ち鞍:98年 日本ダービー 、99年天皇賞(春・秋)、 99年 ジャパンカップ
同期の競走馬:セイウンスカイ、キングヘイロー、エルコンドルパサー、グラスワンダー
JRA主催のファン投票「20世紀の名馬100」の第2位に選出。
「黄金世代」や「最強世代」と言われた世代の主役。
見た目も格好良くドラマティックな生涯だったこともあり、漫画の主人公のような競走馬だった。
また、天才 武豊 に初めてダービーを勝たせた競走馬でもある。

今となっては信じられないけど、当時は「武豊はダービーを勝てない」って言われたりしたんだよ!

呪縛から解放された現在ではダービーを5勝、勝ちすぎぃ…(笑)
競走馬時代
デビューは2歳の11月、1番人気で迎えた 新馬戦 (芝1600m)を 武豊 騎手を背に快勝。
2戦目も1番人気で迎えるがハナ差の2着。
予定していた次走を 除外 されてしまうが 格上挑戦 となる きさらぎ賞 の抽選に通り出走。
1勝馬ながら圧倒的に1番人気に推され、その期待に応えるようにこのレースも快勝。
皐月賞 のステップレース、 弥生賞 ではクラシック戦線のライバルとなるキングヘイローとセイウンスカイを破って堂々と主役に躍り出た。
しかしその皐月賞では1番人気に推されるもセイウンスカイ、キングヘイローに続く3着。

大外18番枠だったことと当日はコースの内側が有利だったこともあって先行する3番枠のセイウンスカイを捉えられなかったのよね
しかし続く日本ダービー、皐月賞で負けているにも関わらずファンは武豊のダービー制覇を願ってか1番人気に。
最終コーナーを抜群の手応えで上がって来るものの直線に入ってからは進路は狭く…
しかしその僅かな隙間を一瞬の切れ味で突き抜け、先頭を走るセイウンスカイを並ぶ間もなく抜き去ると差は開く一方。
途中で鞭を落としてしまうほど必死に追い続けた結果5馬身差の圧勝。
ゴール後、普段は控えめな武豊騎手が何度もガッツポーズするほどに欲しかった「ダービージョッキー」という名誉をプレゼントした。

最後の直線に入ってからの 三宅正治 アナの神実況を是非!
ダービー後の夏は休養に、秋初戦の 京都新聞杯 は4コーナー手前からキングヘイローをピッタリとマーク。
最後の直線は 勝負根性 比べとなったが差し切ってクビ差の勝利。
本番の 菊花賞 も1番人気で迎えるが世界 レコード を叩き出したセイウンスカイに完敗の2着。
続く ジャパンカップ では騎乗停止中だった武豊から 岡部幸雄 に乗り代わり挑むも同期の NHKマイルカップ の覇者、エルコンドルパサーに完敗の3着。

エルコンドルパサー陣営は「国内の勝負付は済んだ」として海外に挑戦したから雪辱の機会もなくなっちゃったのよね
年を明けて AJCC から始動、調教の動きが悪かったが3馬身差の快勝。
続く 阪神大賞典 は前年の天皇賞(春)を制した長距離馬、メジロブライト に徹底的にマークされるも交わされることなく1/2馬身抑え勝利。
天皇賞(春)も逃げるセイウンスカイをマーク、さらにそれをマークするメジロブライトの3強対決となるも、直線すぐにセイウンスカイを追い抜きそのままメジロブライトの猛追を1/2馬身抑え春の 盾 を手に入れた。
年内の引退を発表、また同時に 凱旋門賞 の挑戦が掲げ挑む 宝塚記念 。
同期の2歳チャンピオンのグラスワンダーとの初対決になったがレース後に調教師、騎手ともに「完敗だ」とコメントするほどの力負けをしてしまい凱旋門賞の挑戦も白紙になってしまった。
競走生活最後の秋を迎えるが初戦の 京都大賞典 で競走生活唯一の掲示板を外す7着に。
この頃から調教での動きが悪くなり、圧倒的格下の相手にも調教で先着を許してしまう。
また2連敗かつ7着惨敗の結果と合わせ、次走の天皇賞(秋)では4番人気に。
道中は後方につけ、直線に入ると強烈な末脚を披露しまとめて差し切り勝ち。
レースレコードを更新した。

振り返ってみれば、スペシャルウィークと ステイゴールド の馬連が万馬券…
競馬史で1番簡単な万馬券だったかも!

ちなみに、ステイゴールドは実はアニメ版で『キンイロリョテイ』っていう名前で登場しているよ!
続くジャパンカップは凱旋門賞でエルコンドルパサーに勝ったモンジュー、英ダービー馬のハイライズらを相手に日本総大将として挑む。
道中を中段やや後方で待機すると4コーナーを抜群の手応えで上がって行き、直線半ばで先頭に立つとモンジュー以下海外勢を完封。

やはり日本総大将!!
引退レースとなった有馬記念は宝塚記念で完敗したグラスワンダーへのリベンジ戦。
レースではグラスワンダーを徹底的にマーク。
4コーナーを捲りながら先頭を捉えるグラスワンダーをピッタリとマークし最後の直線をグラスワンダーの外へ。
急坂を上りきり先頭に出たグラスワンダーを測ったかのよう捉えた地点がゴールだった。
ほぼ同時にゴール板を通過したが武豊騎手は勝利を確信しウイニングラン。
ガッツポーズに応える観衆。
しかしウイニングランを終えた頃にターフビジョンに映し出された着順は「1着グラスワンダー、2着スペシャルウィーク」
写真判定の結果、わずか4cmの差でスペシャルウィークが負けていた。

勢いでは完全にスペシャルウィークだったんだけどねぇ…
翌年の1月5日に京都競馬場で、1月6日に中山競馬場で引退式を行ない、スペシャルウィークは競走生活を終えた。
種牡馬時代
引退後は種牡馬入りし、2年目の 産駒 が重賞を初制覇。
代表的な産駒としては シーザリオ が オークス 、そして海外GⅠのアメリカンオークスを制覇し産駒初のGⅠ&海外GⅠをプレゼントするとともに日本馬として初めて米国のG1レースを制覇した。
そのシーザリオの産駒として3番仔のエピファネイアが菊花賞とジャパンカップを、6番仔のリオンディーズが朝日杯FSを、9番仔のサートゥルナーリアがホープフルステークスと皐月賞を優勝するなど繁殖牝馬として優秀さも見せた。

ある意味で彼女が有名になったレースがこちら(笑)
さらにブエナビスタ が桜花賞・オークスを制覇し牝馬二冠、さらにジャパンカップを制し史上初の父娘制覇を達成するなどGⅠを6勝するなど特に牝馬に目立った成績を残した。
2017年に種牡馬を引退し生まれ故郷の日高大洋牧場で余生を送っていたが、2018年に放牧中に転倒しているところをスタッフに発見されるも4日後に死亡が確認された。23歳だった。

ちょうどアニメが放映されている時期に亡くなっちゃったんだよね…
スペシャルウィークのエピソードなど
ウマ娘season1でも描かれていたが、スペシャルウィークは生まれて5日後に母親を亡くしている。
乳母馬が宛てがわれたが気性が荒く仔馬を遠ざけようとしたこともあり、人の手をかけて育てられたために人にはすごく懐いた。

こういった生い立ちもあって人間を信頼する素直な性格であったことが、彼の強さの1つだと思う
スペシャルウィークが活躍したことによって、日本在来の血統が見直されるようになった。
というのもこの時代はスピード能力に優れ、早くから活躍ができる海外の血統がもてはやされており、スタミナ豊富で成長力があるものの晩成傾向が強い日本在来の血統はやや廃れつつあった。
しかしスペシャルウィークは、父方からは米国血統ならではの加速力とスピード持続力に加え早くから活躍ができる早熟傾向を、母方からは豊富なスタミナと高い成長力を上手く譲り受けた競走馬であった。
彼の活躍によって廃れ始めていた日本在来血統が見直され、その後も活躍を続けている。

スペシャルウィークの母方を辿っていくと『シラオキ』という繁殖牝馬に辿り着く。
シラオキは競走馬時代は函館記念を優勝しダービーで2着するものの正直パッとする戦績ではなかった。
しかし繁殖牝馬として非常に優秀で現在では『シラオキ系』と呼ばれるまでの牝系を確立している。
2番仔に「カミソリの切れ味」や「超特急」と言われた『コダマ』、3番仔に皐月賞馬『シンツバメ』を輩出。
さらに生まれた5頭の牝馬は繁殖牝馬として大活躍し、シラオキ系と呼ばれる牝系を一気に広げていった。
シラオキの血統を辿っていくとスペシャルウィークのほかに、ウマ娘で登場しているキャラクターで言えば『マチカネフクキタル』や『ウオッカ』がシラオキの子孫として名前が登場する。

私が競馬の血統の面白さに気づけたのはスペシャルウィークのおかげです!
スペシャルウィークが3歳のジャパンカップのレースを終えたしばらくたった12月15日、生まれ故郷である日高大洋牧場が火事に見舞われた。
火の手は牧場の財産とも言える繁殖牝馬をも呑み込み、20頭いた繁殖牝馬のうち19頭が犠牲に、さらにそのうちの11頭は仔を宿していた。
犠牲となった繁殖牝馬の中にはスペシャルウィークの2つ上の姉であるオースミキャンディもいた。
翌年スペシャルウィークは生まれ故郷に希望を与えるかの如くG1レースを3勝する走りを見せた。

生き残った1頭の繁殖牝馬の名は『メジロウェイデン』、彼女はその後2頭の競走馬を生み、それぞれ地方、中央のレースで勝ち上がったよ!
1999年度のJRA年度代表馬選考は例年であれば古馬王道のG1レースを3勝したスペシャルウィークで間違いなかったが、特別賞の受賞に終わった。
年度代表馬はこの年は凱旋門賞を半馬身差の2着に食い込み「今年の凱旋門賞はチャンピオンが2頭いた」と言わせるほどのレースを見せつけ、世界制覇まであと一歩と迫った『エルコンドルパサー』に決まった。
しかしこの年エルコンドルパサーは国内では1走もしていなかったため、白井寿昭調教師は「今年勝てなかったグラスワンダーが年度代表馬なら納得できるが、エルコンドルパサーは納得できない。エルコンドルパサーこそ特別賞ではないか。凱旋門賞でエルコンドルパサーを負かしたモンジューをジャパンカップで負かしたのに、凱旋門賞2着をジャパンカップ優勝よりも上とした。これでは国内の競馬は海外の競馬よりも下ですと言っているようなものではないか。」と痛烈に批判した。

この年の年度代表馬の選考はいまだに物議を醸してたりするんだよねぇ…
引退後のエピソードとして、スペシャルウィークは栗毛の馬が嫌いだったという話があった。
2014年7月19日に函館競馬場で15年振りにグラスワンダーと再会する場面があった。
パドックでのお披露目イベントであったのだが、スペシャルウィークは栗毛の馬を見ると興奮してしまい威嚇してしまうことがあること、さらに前日のリハーサルでスペシャルウィークがグラスワンダー(毛色が栗毛)を威嚇してしまったこともあってイベントでは一緒にパドックを周回することはなかった。

『栗毛の怪物』の異名があるグラスワンダーには2戦2敗だったこともあって栗毛が嫌いになっちゃったのかな?(笑)

ちなみにこのイベントではグラスワンダーは「馬っ気」全開で登場したみたいですよ(笑)

他にも「こんなエピソード知ってるよ!」とか「スペシャルウィークと言えばコレでしょ!」といったお話を知っていれば教えてね!
スペシャルウィークのイラスト・ファンアート

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